2013年05月24日

嗚呼青春の日々

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踏み抜いた右足は太ももまで、雪に埋まった。

落ちたら死ぬ
落ちたら死んじまう・・・


軽いパニックだった。

僕たちは針ノ木へ向かっていた。

マヤクボのコルから針ノ木頂上への夏道。
目指す針ノ木ピークはもう目と鼻の先。
たった10メートルほどの雪のトラバース。
落ちたら黒部ダムまで逝きそうなくらいの斜面だった。

左側にしがみつくように慎重に進んでいた。
なんてことは無い、単なる雪の踏み抜きだった。

滑ってたら・・・
そう思った途端に身体が動かせなくなる程の恐怖。
ピークはあとちょっと。
行くか、戻るか・・・。

「生きてこそだら」

背中からそう聞こえた。
頂上からのドロップをしたかったが、技術が足りなかった。
撤退。



僕の大切な仲間の一人に、スキーをこよなく愛する奴がいる。
しかも奴は気っ風がいい。
小学校の少年野球からの付き合いだ。

確か4年くらい前だ。
バックカントリーをやってるって話をしたら、今度一緒に行こうって盛り上がったな。
「太い板が欲しいんだよ」
なんて話したら、
「新しく買ったから古いのでよければやるよ」
なんて話から、3月に奴からやっと届いた。


明日は天気がいい。
そうだ、針ノ木に行こう。
あの板で・・・。


4:48
目が覚める。
しまったまた寝坊した。
5時登り開始の予定が、またもや起きられなかった。
ちょっと悩んだが天気が良すぎた。

6:30 扇沢に立つ。
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雲一つない好天だ。
「お前やっぱすげーな、絶好のスキー日和」

とは言え、初の針ノ木。
予習では林道から入って、沢沿いに雪渓歩きができるとか。
様子をうかがっていると、慣れた感じのお兄さん方がちょうど登山口。
あの人達の後を・・・。

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無事雪渓取り付き。

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サングラスしてないと眩しいほどの日差しの強さと照り返し。
「空の青さがお前らしいわ!ちゃんと当てるでな!」

しばらく登りアイゼンを着けた。
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そう言やこのブーツもお前からもらったなw

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デブリ

この辺りから斜度がキツくなってきて、ひいひい。
冬に乗鞍登ったり、こないだ燕登ったから少しは登れるんじゃないかと思っていたら。
全然でした。

さらに斜度は増して。
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振り返れば爺ヶ岳

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マヤクボ沢出会からマヤクボ沢方面へ
女性に抜かれてしまいました。

何度も心が折れそうに。
「金は無い。体力なら・・・ない。でも、想いと根性ならある。」
この板だけは担ぎ上げたかった。

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稜線まで後少し。
何度も名前を呼んで励まし合った。

そして6時間もかかってマヤクボのコルに到着。
そして、素晴らしい景色が迎えてくれました。
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立山、劔と黒部ダム

ここまでの辛さから一気に解放される。
そして、想いは空高く登り行く。
此れが見たかったのだ。
全てが洗われる。

しばらく休み、左を見上げると針ノ木。
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今回の目的はピークハントだった。
迷うこと無く進む。

そして、踏み抜く。
パニックだった。

「生きてこそだら」
奴が言ってくれた。

引き返そう。そして、また来よう。

慣れないスキーブーツでの登山は、本当に怖かった。
ガレ場が続く。
登山靴ならなんともない所だけど、背中に長い板と、ソールがプラスチックのスキーブーツじゃ・・・。
なんとかコルに戻り、息を吹き返す。

危なかった・・・。
(そう思っているのは自分だけかもしれないw)

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景色を想いっきり堪能したら、いよいよお前の板で滑るのだ。
6時間の余、担いできたお前の板で一緒に滑るのだ。


さすがはお前の板だわ。
3時間もかけて登った所はたったの5分で下ってしまう。

雪渓終わりまで滑ってきて30分もかからず。
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いい経験をした。
お前のおかげで助かった。
ありがとう。


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もうすぐ2回目の命日が来る。

また登ろうぜ、マサヒロ。










posted by サワ at 23:06| Comment(2) | TrackBack(0) | スキー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
よ〜し!!行きましょー!!

張り切って晴れの日に針ノ木ってはっきり言って、言いにくいっす凹Gコテ!!


あとは、常念と赤岳と前穂と…

芥子坊主(爆)

Posted by 旦那チャン at 2013年05月24日 23:35
旦那チャン
はりきって消し坊主!
お楽しみに!
Posted by サワ at 2013年05月24日 23:53
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